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アオハルクリニック院長・小柳衣吏子先生に聞く 女性ホルモンと見た目年齢の関係

女性の元気と美しさをサポートするエクオール

第1回は、美容皮膚科医であるアオハルクリニック院長 小栁衣吏子先生に、気になる「見た目年齢」と女性ホルモンの変化との関係について、エイジングケアの観点からお話をうかがいました。

小栁こやなぎ衣吏子えりこ先生

アオハルクリニック院長

ウェルエイジングをめざす皆様のため、日々探求している皮膚の専門家。
平成10年順天堂大学医学部卒業後、平成23年、AOHAL CLINIC院長に就任し、現在に至る。
順天堂大学医学部 皮膚科助教(非常勤)、日本皮膚科学会認定皮膚科専門医、日本美容皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会専門医。

そのたるみ、「顔面骨密度」が関係しているかも!?

見た目年齢をぐっと上げる「たるみ」
30代前半と40代後半に訪れる2回の曲がり角

エイジングの三大特徴といえるシミ、シワ、たるみ。
なかでも女性の見た目年齢に大きく影響するのは、たるみだと私は考えています。
他の2つはファンデーションなどメイクでカバーすることも可能ですが、たるみだけはメイクでは隠しきれません。
たとえば、カフェでお茶を飲んでいるときに、お店に入ってきた女性の顔をぱっと見れば、だいたいの年齢が分かります。
このとき、大きな判断要素になっているのが、肌や顔全体の輪郭のたるみ具合です。
女性の一生のうち、たるみが進行する時期は2回。
30代前半と40代後半です。
この時期が「たるみの曲がり角」で見た目が大きく変化する時期です。

たるみにも悪影響をもたらす女性ホルモン

たるみの原因は加齢や紫外線、酸化、糖化など、さまざまな要因が指摘されています。
特に40代後半以降では、女性ホルモンであるエストロゲンの分泌が減少し始める時期でもあり、たるみが進行する原因のひとつと考えられます。
女性ホルモンの減少は、肌の弾力を保つコラーゲン繊維やエラスチン線維の変性による機能低下、皮脂分泌減少による肌の乾燥などを招き、シワやたるみを進行させます。

朝田康夫監修『最新改訂版 美容皮膚科学事典』中央書院(2002)を参考に作成

女性ホルモン減少で、肌を支える「顔面骨密度」も減っていく!?

エストロゲンの分泌が減少することで骨密度が低下し、骨粗しょう症になりやすいことはよく知られています。
しかし、肌を支える顔面の骨も例外ではないことはご存じでしょうか。
たるみは肌の組織の機能低下だけでなく、肌の組織の下にある脂肪の下垂や、筋肉の衰えも関係しています。
骨は、それらすべての組織の基礎となる部分。
土台が萎縮すれば、必然的に上に乗っている肌はたるんできます。
骨の萎縮に伴い眼窩も広がって落ちくぼんで見え、「老け顔」が加速度的に進行してしまいます。
米国における研究では、年代別に腰椎と顔面骨(上顎、下顎)の骨密度の比較をしたところ、腰椎よりも顔面骨のほうが、加齢による骨密度の減少割合が約10%も大きいことがわかりました。
しかも、腰椎の骨量減少は61歳以上の高齢層で認められるのに対し、顔面骨の骨密度は、41~60歳の中年層ですでに減少していました。
骨密度の減少というと高齢期に進むものと考えている方も多いかもしれませんが、こと顔面の骨に関しては、40代から進行すると考えておいた方が良いでしょう。

Shaw et al , Facial Bone Density:Effects of Aging and Impact on Facial Rejuvenation., Aesthetic Surgery Journal 32(8):937-942.より作成

誰でも女性ホルモンを補えるエクオールで、女性ホルモンを味方につけて

女性ホルモンが減り始めて、エイジングの徴候が気になるようになった方には、エクオールのサプリメントをおすすめしています。
更年期のつらい症状がある方にはホルモン補充療法がありますが、治療の対象になるほどの症状ではない、あるいは病気などでホルモン補充療法を受けられない方もいます。
エクオールは女性ホルモンに似た作用を持つ大豆由来の成分であり、副作用の心配がないため、どなたでも摂ることができます。
大塚製薬の研究では、エクオール10mgを摂取することで骨密度の低下や肌のシワ面積の伸展を抑制したという結果が出ています。
クリニックの患者さんでも、エクオールのリピーターは多くいらっしゃいます。
美容ケアの一環として捉えて習慣にしているようです。

エクオール10mg摂取による骨密度減少抑制
Tousen, et.al., Menopause 18: 563-574, 2011

正しい知識へのアンテナを磨いて「頭で考える美容」を

肌のお手入れや美容に関する行動を「いつから始めたらいいですか?」とよく訊かれるのですが、私からすれば「生まれたときから」というのが答えです。
早ければ早いほうがいいのです。
しかし一方で、「何歳になったらもう手遅れ」というのもありません。
気づいたときに、まず「始める」「行動を起こす」ことが何より大切です。
何かひとつ始めれば、お手入れや食べるもの、生活習慣など、ほかのことにも意識が向いて、行動が変わってくるものです。
肌の仕組みや女性ホルモンのことなど、自分の体の中で起こっていることを正しく理解することで、そのときにベストのケアができます。
表面的な情報や一時的な感覚、流行に流されるのではなく、正しい情報が何なのか見極めるアンテナを磨いて、「頭で考える美容」を実践してほしいと思います。

エクオールを産生しない45〜60歳の閉経後女性101人を、エクオール10mg群、プラセボ摂取群に分け、12週間摂取してもらったところ、エクオール摂取群で目尻のシワの面積と深さが有意に抑制された。
(出典:Aso T et.al.J Womens Health 21:92-100. 2012)

エクオールとは

大豆イソフラボンは女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きをするといわれ、女性の健康維持増進に貢献することが期待されてきました。
ところが研究が進むにつれ、大豆イソフラボンに含まれるダイゼインという成分が腸内細菌の働きによってエクオールという成分に変換されることでより強い効果を発揮することがわかってきたのです。
エクオールは 10mgの摂取で更年期症状の軽減や骨密度減少抑制、肌のシワの改善などさまざまな効果が確認されています。
しかし大豆イソフラボンを腸内でエクオールに変換できる人は日本人で約5割、欧米人では約3割にとどまっています。
女性ホルモンが急激に減少してくる40代以降は特に女性の健康維持増進のために、エクオールを腸内でつくれない人はもちろんのこと、つくれる人も、毎日エクオールを摂取することが大切であると考えられます。
エクオールに変換できる腸内細菌は現在15種類ほど見つかっています。
大塚製薬はその中で唯一の乳酸菌「ラクトコッカス 20-92」を利用し、1日10mg目安で摂取できるエクオールのサプリメントを開発しました。

エクオールについて

更年期お役立ちニュース

公開日:2020年10月29日