変形性関節症とは
どのような疾患ですか?
- 平瀬
- 指の関節に腫れや変形が生じる疾患です。症状が第1関節に出るのは「へバーデン結節」、第2関節に出るのは「ブシャール結節」、親指の付け根あたりに出るのは「母指CM関節症」といいます。
いずれも軟骨がすり減るなどして痛みが生じ、進行するとモノがつかみにくくなる場合もあります。
平瀬 雄一 医師
四谷メディカルキューブ西田 圭一郎 医師
岡山大学学術研究院医歯薬学域 准教授
女性ホルモンの一つに、卵巣でつくられる「エストロゲン」があります。エストロゲンは生殖や子育てを行う上で欠かせないものである一方、全身の健康に関わる多彩な働きも持っています。
「腱などの腫れを抑制する」というのもその一つ。
しかし、更年期や産後授乳期には急激に減少するため、そうした働きが失われてしまうのです。
手指に不調が生じるのも、その影響だと考えられます。
そこで注目されるのが「エクオール」です。大豆イソフラボンの一種であるダイゼインが腸内細菌によって代謝されて産生されるエクオールには「エストロゲンによく似た働きをする」という特長があります。
私が手指の不調を抱える人にエクオール10mgを含むサプリメントを毎日摂取してもらったところ、3カ月後には、6割近くの人に機能や痛みの改善が見られました。
ただ腸内でエクオールをつくり出せるのは日本人で約5割です。
ご自身がエクオールを産生できるかどうかは市販のキットで検査ができますが、結果に関わらず、大豆を乳酸菌で発酵させてつくったエクオールのサプリメントを利用するのも対策の一つです。
関節リウマチは、関節が腫れて痛みや倦怠感、こわばりなどの症状が生じる病気です。
症状が手指ばかりでなく、足の先や膝、それに肩や肘の関節にも現れるというのが、通常の変形性関節症にはない特徴です。
リウマチの腫れが続くと、やがて軟骨だけでなく骨までが破壊されていき、関節が大きく変形していきます。
最近の研究では50〜60代が好発年齢とされていますが、若年性特発性関節炎という子どものリウマチもありますので、全年齢を通して起こりうる病気といえるでしょう。
治療法としてまず検討されるのは薬物治療です。日本でも「分子標的薬」をはじめ、有効な治療薬が増えてきており、副作用に注意して適切に用いれば、関節の破壊がかなり抑制されます。
抗リウマチ薬の効果を最大限に活かすには早期診断・早期治療が大切ですので、気になる症状があれば迷うことなく医療機関を受診されることをおすすめします。