食生活でケア
栄養素のバランス
更年期の女性はどのような食事を心がければ良いのか?
更年期には、女性ホルモンの急激な減少の影響により、さまざまな不快症状が現れることがあります。
又、エネルギー、脂質、骨の代謝も変化し、栄養が過剰あるいは欠乏状態になりやすく、心身の健康バランスをくずしやすくなります。
そこで、更年期の女性に適した食事や食生活とはどんなものか?という問いに対する答えを突き詰めていくと、やはり「バランスのよい食事」が一番肝心である、という答えにたどりつきます。
私たちは「○○さえ食べていればよい」というような魔法のように体に良い食べものを検索し、期待しがちですが、改めて健康に必要な栄養素を確認していくと、バランスよく食べることが、いかに重要であるか、がわかるはずです。
下の図は一般的な健康な人を対象とした「食事バランスガイド」ですが、更年期の女性の食事指導にもよく活用されています。
自身の食生活が乱れていないかガイドと見比べてみましょう。
- 運動することで安定してコマが回る
- 水分は食事に欠かせないためのコマの軸
- 菓子・嗜好品はコマを回すヒモ 楽しく適度に
出典:厚生労働省「食事バランスガイド」について
女性ホルモンが気になるあなたへ オススメの食事
オススメは和食メニュー、飲み物は牛乳など乳製品を
オススメしたいのがご飯と味噌汁に、魚料理、おひたし、煮物などを組み合わせた「和食」。
1日1、2回は意識して魚料理を取り入れ、緑黄色野菜を使った副菜を手の大の小鉢で昼夜1皿ずつ加えるとバランスもよくなります。
デザートには皮ごと食べられるブルーベリーやリンゴなどをはじめ、栄養価の高い旬のフルーツを1日200gを目安に取り入れてみてください。飲み物には牛乳などの乳製品を組み合わせるとよいでしょう。
主食
ご飯、パン、麺類、餅など
主に炭水化物によるエネルギー供給源。糖質は、同じくエネルギーになる脂質に比べ、分解・吸収が早いという特徴があります。
主菜
肉類、魚介類、卵類、大豆製品などを使った料理
献立の中心となるおかずで、主にタンパク質や脂質の供給源となります。タンパク質は筋肉や臓器など体を構成する重要な栄養素です。また、酵素やホルモンの原料となったり、ウィルスや細菌の侵入を防ぐために働く免疫物質を作り出す栄養素でもあります。
副菜
緑黄色野菜、淡色野菜、海藻類、きのこ類、山菜類、芋類、豆類などを使った料理
主食、主菜で不足する各種ビタミン・ミネラルおよび食物繊維の供給源となります。多くのビタミンは糖質・脂質・タンパク質の代謝を円滑に行わせる潤滑油のようなはたらきをしており、血管や粘膜、皮膚、骨などの健康を保ち、新陳代謝を促す働きにも関与しています。ミネラルも骨や歯、酵素など体の構成成分であるとともに生理作用の調整をしており、体の健康維持には欠かせない栄養素です。
汁物
味噌汁やスープなど
各種ビタミン・ミネラルおよび食物繊維の供給源となり、不足しがちな栄養素や水分を補います。ビタミンB1やビタミンB2はエネルギー代謝をサポートし疲労回復にも繋がります。
その他
果物、牛乳、乳製品などを組み合わせて
各種ビタミン・カルシウム・食物繊維の供給源となります。女性は閉経期に入ると急激に骨量が減り、骨粗しょう症にかかりやすくため、特にカルシウムは中年期以降も意識的に摂取したい栄養素です。カルシウムの供給源である乳製品には牛乳、ヨーグルト、チーズなどが含まれます。
積極的に取り入れたい食材
大豆食品を多く取り入れる
女性ホルモンと似た働きをする成分として注目されているのが、大豆イソフラボン。
大豆は食物繊維やオリゴ糖も多く含み、加齢とともに乱れがちな腸内環境を整えてくれる上、骨を強くするカルシウムも豊富です。
大豆には、大豆イソフラボンだけでなく、たんぱく質やミネラルビタミン、食物繊維なども含まれていて、女性に優しい食品です。加工食品も多いので、調理方法を工夫すれば、バラエティに富んだメニューを作れます。
※ 大豆製品の中で、しょうゆや味噌などには、塩分が多く含まれています。
塩分量に気を付け、薄味を心がけましょう。
女性ホルモンに似た働きをする
「エクオール」
年齢とともに女性ホルモンは誰しもが低下していきます。
女性ホルモンの低下に伴う症状の軽減に「エクオール」が有効であると言われています。