吐き気
の原因・症状と対策方法
吐き気の症状について
【症状の概要】
更年期による吐き気は、個人差はありますが、長期間、頻繁に感じる人もいます。
吐き気は前触れなく、突然催し、嘔吐してしまう場合もあります。
- 胃腸の調子が悪くなった
- 急に気持ち悪くなる
- 食欲が起こらない
- つわりのように吐き気がする
吐き気が起こる原因
胃腸は副交感神経が働くリラックスしているときに活動しますが、エストロゲンの減少により自律神経が乱れることで、交感神経が活動を続けてしまうと胃腸の不調や吐き気が起こります。
ストレスも関連すると言われます。
簡単にできる対処法
ホルモンバランス・自律神経を整えるため、医療機関を受診するか、エストロゲン作用のあるサプリメントも有用です。
リラックスを心がけ、食欲がない場合は、栄養価の高いものを取るようにしましょう。
監修
野崎 雅裕 先生
野崎ウイメンズクリニック 院長
1979年九州大学医学部 卒業、1999年 九州大学病院産婦人科 准教授、
2006年 九州中央病院 副院長を経て 2010年より現職。
日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会 認定医・代議員、日本女性心身医学会認定医・評議員、NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア学会(理事・九州支部長・シニアメノポーズカウンセラー) など学会および団体に所属。
長年、不妊治療、思春期から更年期のホルモン療法や漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に従事されている。
こんな時は更年期以外の病気を疑いましょう
更年期に起こる自律神経のアンバランスから、胃腸の働きに不調をきたすことが知られていますが、更年期以外の原因で吐き気が現れる場合もありますので、注意が必要です。
以下のような症状には違う病気の可能性も疑い医療機関で診断、治療を受けましょう。
- 吐き気とともにおなかの痛みをともなう
急性胃炎が疑われます。急性胃炎は胃の粘膜の炎症や腫れ、ただれなどによる症状の総称です。胃が急にキリキリ痛み、ムカムカして吐き気がするなどの症状が現れます。炎症を起こす原因は暴飲暴食、過労、ストレス、薬の副作用や化学物質の中毒症などによる外因性のものと、細菌感染の合併症や食べ物のアレルギー反応などによる内因性のものがあります。症状が軽い場合は数日の絶食や十分な水分補給により胃腸を休ませることで症状は改善しますが、薬の服用や点滴などの治療が必要と思われる重篤な症状においては、内科や消化器科の受診をおすすめします。
- 吐き気や、今まで経験のないような耐え難い頭痛やめまいが起こる場合
脳卒中など脳の重大な病気の可能性があります。すぐに救急病院へ行きましょう。
- 吐き気に加え頭の片側(もしくは両側)が脈を打つようにズキンズキンと痛み、体を動かすと痛みが増す場合
片頭痛が疑われます。症状が出たときはマッサージや入浴、運動などは避けて痛みがある部位を冷やし、静かな場所で横になりましょう。頻発するようであれば内科の受診をおすすめします。近年では、頭痛の専門医による、頭痛外来を設置している病院もあります。
- 吐き気とともにグルグル回転するようなめまいや耳鳴りを感じるとき
メニエール病などが疑われます。30~50代に発病することが多く、聴覚や平衡感覚の機能が低下する病気です。まずは発作が起きたら安静にし、耳鼻咽喉科を受診してください。薬の服用や、吐き気が強い場合は点滴などで治療を行いますが、疲労やストレス、睡眠不足に関連が深いとされており、生活習慣やリズムの見直しや塩分控えめの食事などが推奨されます。
- 近頃ずっとふさぎがちで憂鬱な気分になる
吐き気や嘔吐、食欲不振などは精神的な問題が影響しているケースも少なくありません。長引くようなら、うつ病の可能性も視野に、早めに心療内科へ相談されるとよいでしょう。
- 月経前や月経中など月経周期に連動して吐き気が起こる
月経前症候群(PMS)や月経困難症により吐き気や嘔吐といった症状が出ることがあります。我慢せずに婦人科に相談してください。
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