手指の痛み・
しびれ・変形①
の原因・症状と対策方法
「ヘバーデン結節、ブシャール結節」の症状について
【症状の概要】
手指の関節の腫れ・痛み・しびれ・変形が第一関節に起こることを「ヘバーデン結節」、第二関節に起こることを「ブシャール結節」といいます。
結節とは骨のコブのことで、手指の関節が腫れて痛むだけでなく、粘液嚢腫(ミューカスシスト)と呼ばれる水ぶくれが現れることもあります。症状には個人差がありますが、関節軟骨の摩耗や関節の隙間が狭くなり徐々に骨が変形していきます。
上記症状のため、指の動きが悪くなったり、強く握ることが困難になったりして、日常生活が困難になることがあります。
自己免疫疾患のひとつ「関節リウマチ」と症状が似ていて、一見、見分けがつきにくいため、専門医に診断してもらいましょう。
- 手指の関節が腫れる・痛い
- 手指の動きが悪くなる
- 手を握りづらくなる 蓋が開けにくくなる
- 手指の関節に水ぶくれのようなものができる
「ヘバーデン結節、ブシャール結節」が起こる原因
現時点では原因は不明ですが、発症が更年期の女性に多く、また利き手以外の手指にも症状が現れることから、女性ホルモンが関与している可能性が考えられています。
ヘバーデン結節、ブシャール結節以外にも更年期に起こりやすい手指の疾患として、ばね指・ドケルバン病などの腱鞘炎、手根管症候群、母指CM関節症があげられます。
更年期のみならず女性ホルモンの大きな変動(減少)が起こる産後・授乳期にも、同様に手指に痛みやしびれ、こわばりが起こることが報告されています。
対処法・治療法
対処療法として、腫れ・痛み・しびれのある部位の安静と固定(テーピング)や服薬(鎮痛剤、漢方薬、ステロイド剤の関節内注射など)があります。また、女性ホルモンに似た働きを持つエクオール含有のサプリメントの摂取も、初期の症状の緩和に役立つという報告もあり、期待されています。
手指が変形し、日常生活に困るような場合には、手術を行うこともあります。
監修
平瀬 雄一 先生
四谷メディカルキューブ
手の外科・マイクロサージャリーセンター センター長
1982年東京慈恵会医科大学 卒業・米国サンフランシスコヘ留学。デービスメディカルセンターでProf. Harry Buncke(ハリー・バンキ教授)に師事。米国デービスメディカルセンター客員教授、慈恵医大柏病院形成外科診療医長、埼玉成恵会病院形成外科部長(埼玉手の外科研究所)を経て、2010年より現職。
2016-2020年 日本手外科学会理事、日本手の外科学会認定専門医、日本形成外科学会認定専門医、日本マイクロサージャリー学会評議員、米国手外科学会International Memberほか。
女性ホルモンに似た働きをする
「エクオール」
減少していく女性ホルモン(エストロゲン)と似た動きをする「エクオール」をご存知ですか?