手指の痛み・しびれ・変形②
の原因・症状と対策方法

「腱鞘炎:バネ指、ドケルバン病」の症状について

【症状の概要】

関節は「筋肉」の力を伝える「腱」があることで、曲げ伸ばしが出来ます。
その腱を浮き上がらないように押さえているのが「腱鞘」で、その構造は電車とトンネルの関係に似ています。
腱と腱鞘の間で炎症が起こり、痛み、腫れ、熱感を生じることを「腱鞘炎」と言います。
指の付け根の腱鞘炎が進行し、手の指を伸ばそうとすると痛み、カクンと「バネ」のような現象が起こることを「バネ指」、手首の親指背側に生じる腱鞘炎のことを「ドケルバン病」と言います。
ドケルバン病では、親指を内側に入れて握りこぶしを作り、手首をゆっくりと小指側に曲げると伸ばされた手首に強い痛みが生じます。
比較的、明け方に症状が強く、日中は軽減されるケースが多いようです。
腱鞘炎を悪化させないためにも、疑わしい症状がある時には専門医への早期受診、早期の治療が重要です。

左、中:バネ指説明図。右図:ドケルバン病説明図
❶ バネ指

・指の付け根に発生する腱鞘炎と「バネ」のような指の動き
・更年期、妊娠時、産後授乳期や、指をよく使う作業をしている人に起こりやすい。
 糖尿病、透析患者でも発症する

❷ ドケルバン病

・手首の親指側に発生する指を伸ばす腱の腱鞘炎
・更年期、妊娠時、産後や、スポーツマンや手指をよく使う作業をしている人に起こりやすい

「腱鞘炎:バネ指、ドケルバン病」が起こる原因

現時点では原因は不明ですが、発症が更年期や妊娠時、産後の女性に多く、女性ホルモンの変動(減少)が関与している可能性が考えられています。
女性ホルモンの急激な減少や、細かい作業などによる指の使い過ぎで、腱が腫れたり、腱鞘が分厚くなったりして、腱がスムーズに動かなくなり、痛みや腫れがさらに強くなります。

腱鞘炎(バネ指、ドケルバン病)が起こる原因は、腱鞘の肥厚や、腱の肥大がおこり痛みや腫れが強くなります

対処法・治療法

初期症状からきちんと対処しましょう

初期症状からきちんと対処しましょう

対処療法として、腫れ・痛み・しびれのある部位の安静と固定(テーピング)や投薬(鎮痛剤、局所麻酔剤入りステロイド注射)があります。
女性ホルモンに似た働きを持つエクオール含有のサプリメントの摂取も、初期の症状の緩和に役立つという報告もあり、期待されています。
上記の方法で改善が見られず症状が悪化したり、日常生活動作に支障が生じる場合には、腱鞘を切り離し、腱を開放する手術を行うこともあります。

平瀬 雄一 先生

監修
平瀬 雄一 先生
四谷メディカルキューブ
手の外科・マイクロサージャリーセンター センター長

監修
平瀬 雄一 先生
四谷メディカルキューブ
手の外科・マイクロサージャリーセンター センター長

1982年東京慈恵会医科大学 卒業・米国サンフランシスコヘ留学。デービスメディカルセンターでProf. Harry Buncke(ハリー・バンキ教授)に師事。米国デービスメディカルセンター客員教授、慈恵医大柏病院形成外科診療医長、埼玉成恵会病院形成外科部長(埼玉手の外科研究所)を経て、2010年より現職。
2016-2020年 日本手外科学会理事、日本手の外科学会認定専門医、日本形成外科学会認定専門医、日本マイクロサージャリー学会評議員、米国手外科学会International Memberほか。

更年期症状にあてはまる不調には、
別の病気が潜んでいる場合もあります。
気になる症状があれば、婦人科を含めた
医療機関への受診をお勧めします。
かかりつけ婦人科医・薬剤師をつくり、
日常のふとした不調も気軽に相談しましょう。

このページをシェアする

公開日:2015年10月30日

更新日:2024年5月21日