うつ
の原因・症状と対策方法
うつの症状について
【症状の概要】
更年期の症状として、うつ症状や不安症状が出現します。
症状としては以下のようなことがあげられます。
- 物事に対してほとんど興味がない、または楽しめない
- 気分が落ち込む、憂鬱になる、または絶望的な気持ちになる
- 疲れた感じがする、または気力がない
- 自分自身あるいは家族に申し訳ないと感じる
- 寝つきが悪く途中で目が覚める、または逆に眠りすぎる
- あまり食欲がない、または食べ過ぎる
- 動きや話し方が遅くなる、あるいは反対にそわそわしたり落ち着かず、ふだんよりも動き回る
- きれい好きだったはずなのに今では洗濯物や洗い物が山積み
- 自分はダメな人間だと落ち込んでしまう
- 一つの作業に集中することが難しくなった
- 動きや話し方が遅くなったと言われた
うつが起こる原因
更年期による卵巣機能の衰退は、エストロゲン減少により視床下部・下垂体の機能に変調を来し、自律神経症状をはじめ、内分泌系や免疫系の失調症状、精神神経症状などを引き起こします。
また、更年期は女性にとって心理・社会的にも不安定で全年齢を通して最もストレスを受けやすい時期と言われています。
更年期の心理社会的問題としては、親子関係の葛藤や子育てという役割を終えたことでの喪失感、子供が巣立ち改めて顕在化する夫婦間の問題、親の介護や死による心身の過労と喪失感、閉経や容貌の衰えなどの女性としての機能の喪失感、健康上の不安、などが挙げられます。
多くの女性はこのような様々な変化を受け入れ葛藤を自分で処理していきますが、一部の女性ではこれらの喪失感から自己評価が低下し、抑うつ気分、病的不安が引き起こされやすくなります。
簡単にできる対処法
運動が有する心理的効果の報告は数多く、特にウォーキングや水中歩行、ヨガなどの低~中程度の有酸素運動が効果的です。
また、更年期における女性ホルモンの低下による健康障害を、サプリメントや健康食品で補ったり、アロマテラピーによる心のリラクゼーションも試してみるのもよいでしょう。
精油が嗅覚を通じてダイレクトに、大脳辺縁系にアプローチし、「香り」と「薬理作用」によって心と体のバランスを保つための手助けをしてくれます。
セルフケアにも様々な方法がありますが、日常生活の中でひどく気が重くなったり、沈み込んだりする時は我慢せず、更年期に詳しい医師へ相談してみましょう。
監修
野崎 雅裕 先生
野崎ウイメンズクリニック 院長
1979年九州大学医学部 卒業、1999年 九州大学病院産婦人科 准教授、
2006年 九州中央病院 副院長を経て 2010年より現職。
日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会 認定医・代議員、日本女性心身医学会認定医・評議員、NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア学会(理事・九州支部長・シニアメノポーズカウンセラー) など学会および団体に所属。
長年、不妊治療、思春期から更年期のホルモン療法や漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に従事されている。
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