不安感
の原因・症状と対策方法
不安感の症状について
【症状の概要】
更年期の症状としてよく表れる症状のひとつに、不安感があげられます。
特別な理由も無く暗い気持ちになったり、以前は興味があったものに関心が無くなったり、
不安で落ち着きが無いといった症状が出現します。
- 心がざわついて落ち着かない
- 自分の将来が不安になる
- 言葉では言い表せない不安感や孤独感を感じることがある
- 人生このままでよいのかと落ち込んでしまう
不安感が起こる原因
女性ホルモンは、脳の視床下部からの指令により卵巣から分泌されますが、卵巣の機能が衰えると、脳が「ホルモンを出せ」と指令を出しても分泌されず、視床下部・下垂体の機能に変調を来します。
視床下部はさまざまなホルモンの分泌や、精神活動なども司る自律神経のコントロールセンンターなので、この変調が律神経症状をはじめ精神神経症状などを引き起こします。
また、この時期独自の女性の心理特性や環境的な要因も大きいと考えられています。
更年期は、自身の子供の就職や自立、また結婚などにより、いわゆる「母親」としての役目が終わる時期と重なり、ある種の喪失感として受け止められる場合も少なくありません。
夫の定年により経済状態の変化も起こり、同時に先送りしていた夫婦関係の問題にも直面します。
これまで妻、母親あるいは職業人としての社会的役割を持ち、健康で体力のあった体も、社会的役割が希薄になり健康に自信がなくなっていきます。
親の介護や親しい友人の病気や死を経験し、自身の人生についても考える機会が多くなります。
更年期は喪失体験を伴う事象が数多く出現する時期であり、大きなストレスがいくつも重なる時期です。
その意味で抑うつや不安をきたしやすい時期と言えるのです。
簡単にできる対処法
更年期の精神症状に対しては、ウォーキングやヨガなどの有酸素運動や、アロマセラピーなどによる心のリラクゼーションが有効であるという報告があります。
また、女性ホルモンの低下による健康障害を、サプリメントや健康食品で補う方法もあります。
しかし、日常生活に支障をきたすほど症状がひどい場合は、その他の不安障害に該当する場合もあるので、更年期だからと我慢せず、専門の医師に相談してみましょう。
監修
野崎 雅裕 先生
野崎ウイメンズクリニック 院長
1979年九州大学医学部 卒業、1999年 九州大学病院産婦人科 准教授、
2006年 九州中央病院 副院長を経て 2010年より現職。
日本産科婦人科学会専門医、日本女性医学学会 認定医・代議員、日本女性心身医学会認定医・評議員、NPO法人 更年期と加齢のヘルスケア学会(理事・九州支部長・シニアメノポーズカウンセラー) など学会および団体に所属。
長年、不妊治療、思春期から更年期のホルモン療法や漢方療法、月経痛や女性のこころとからだの悩みに関する医療に従事されている。
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